おひとりさまの団地暮らしの日々

ファミリーのイメージが強い団地生活。ですがおひとりさまの人も結構多いんです。そんな団地の一人暮らしの日々を綴ります。

日本語教育さわりのさわり(日本語で日本語を教える理由)

外国人に日本語を教える時、英語で教えると考えている人が多いと思います。
中学校時代、初めて外国語である英語を学ぶとき、日本語で習いましたからそう考えるのも無理はありません。

 

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実は違います。
何事にも例外がありますから必ずとは言いませんが、ほとんどの場合は日本語で日本語を教えます。「どうやって?」
と思うのは当然ですが、日本語を学ぶ人が必ず英語を知っているとは限りません。
そんな人に英語で説明しても意味がありません。
この「英語」という言葉をフランス語や中国語など、どの言語にあてはめても同じです。

逆に日本語を学ぼうとする人は日本語の知識を必要としています。
ここに日本語で説明する必然性があります。


かなりの山奥でごく少数で暮らしているような民族を除けば、大体ひととしてのマナーは一致することが多いです。

そのひとつが挨拶。
「おはようございます」
「こんにちは」
「こんばんは」
などは、大体どの国の言葉でも使う表現です。
このあいさつ表現を日本語でどう言う(どのような発音)かを説明なしで、発音だけを教えます。

例えば、朝の挨拶として日本語では「おはようございます」と発音することを教えます。
「朝の挨拶」と認識してもらうことが大事で、それには朝日が昇っているときに、二人が出会って挨拶するシーンなどがあるとわかりやすくなります。
昼と夜も同じです。
あいさつする態度のようなものをすべて同じにして、バックに朝・昼・夜がわかるようなイラストを3種用意して説明します。

教師が「おはようございます」と発音して、生徒がリピート。教師発音・生徒リピートをひたすら繰り返します。
教師が言わなくても大丈夫だなと思ったら、イラストだけを示して生徒に言わせます。

実際にアクションで示すこともあります。
「食べる」だと、食べ物を口に入れるふりをしたあと、口をモグモグ。そのあとごっくんします。
モグモグで終わってしまうと、「噛む」と間違えてしまうからです。
大切なのは、まずは聞いた音と同じ発音で口から出すこと。そしてその「音」がどのような意味なのかを意識することです。

このように、ひたすら話すことを主体に考えて授業を進めていくのが、現在の日本語の教え方の主流です。
もちろん文法も教えますが、話すことを主目的とした場合に必要となる知識だからです。
80年代までの日本の英語教育のような、初めに文法ありきではありません。
こうして使える表現を増やしていき、その後、あるいは並行してひらがな・カタカナを教えます。

これまで長々と書いたのは、まずは日本語の意味から覚えるという前提を知っていただきたいから。
母語の何々という言葉は日本語では何々という、という一見正しそうなアプローチを取り払いたいから。

「行く」という行為を「to go」 から「行く」という言葉に変換するとそれだけ時間がかかります。
脳内のイメージをそのまま「いく」という音にできないとスムーズな会話は望めません。
そのトレーニングをするのが現在の日本語教育のスタンスです。
そしてこの方法では、学習者の母語は問わないわけです。

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