おひとりさまの団地暮らしの日々

ファミリーのイメージが強い団地生活。ですがおひとりさまの人も結構多いんです。そんな団地の一人暮らしの日々を綴ります。

本当に5年でできたら素直にすごいと思うデジタル化

菅首相が行政のデジタル化・システム統合を5年後に達成するよう指示をだしました。
具体的な期間を区切りましたね。
のらりくらりと言質をとられないようにかわし続けた安倍さんとは一味違うようです。

 

www3.nhk.or.jp

 

あとは具体的なゴールをどこに置くかですが、
「わが国のデジタル化を進めるためには、まずは、国と地方の行政のデジタル化を実現し、あらゆる手続きが役所に行かなくても実現でき、必要な給付が迅速に行えるような社会を早急に実現する必要がある」
「住民が引っ越しをしても同じサービスを受けられるようにするため、統一と標準化が不可欠だ」ということです。

 

本当に5年でできたらすごいでしょうね。
都道府県に加えて、市町村単位で作られたシステムまで統合するとなると、かなりの規模になります。
かつてITの仕事をしていた私からすると、まず5年では無理だと思いますから。

普通、システム開発ではざっくりと、
要件定義→基本設計→詳細設計→プログラミング→テスト→運用テスト→本番稼働
というような流れになります。

 

一番最初の工程の要件定義が一番重要です。
ここでは、システムにどんな機能を組み込むか、システムの運用はどのように行うかなどを決めます。
これが決まらないと設計に入れません。

 

新規開発ならそれほど難しくありませんが、今回は既存のシステムの統合です。
それぞれの自治体が作り上げたシステムをどうするかが難問です。

 

理想なのは、すべてのシステムと連携可能にすることですが、そんなものは無理。
どこかで切り捨てなければならない部分はでてきます。
その見極めを誰がいつまでに行うのか、決めなければなりません。

そのためには自治体が稼働させている現行システムの概要を調べ上げなければなりません。
おそらくこれだけで半年か1年くらいはかかるはず。
それから各自治体と個別に交渉して、切り捨てる内容などを決めることになると思います。

 

それから設計、構築、テスト、移行、運用と自治体と連携しながら進めるはずです。
自治体も少なくない数の専任の担当者を置かないとだめでしょうね。
そんな余裕がある自治体はどのくらいあるのでしょうか。

 

このプロジェクトのプロジェクトマネージャー(PM)になった人は心の底から尊敬します。
いくら首相が旗をふっても、国と自治体とは別組織。
かならずどこかで板挟みにあいます。
下手をしたら国会に呼ばれて袋叩きにあうかもしれないし。

PMを盾となって守らなければならないのは、担当大臣の平井デジタル相。
でも、このニュースを読む限り、それほどの覚悟があるとは思えません。

 

news.yahoo.co.jp

 

エンジニアは在宅勤務だとか、枝葉のことに意識がいっているようです。

大規模なシステム障害をおこしたみずほ銀行のシステム統合。
無事にすべて完了するまで約20年の歳月を要しました。
平井大臣が担当する仕事は、みずほ以上の困難さが待ち受けているはず。
まずはみずほ銀行に出向いて、教えを乞うてみたらいいと思いますけどね。

 

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