19日におこなった日本語レッスン。
教える表現は「~を問わず・・・」。
中級レベルの表現です。
意味は「Aを問わずB」とした場合に、Aについてそのいずれの場合もBである、ということ。
わが社は国籍を問わず社員を募集しています、とかですね。
「問わず」は「問う」の未然形に打消しの助動詞「ず」がついたもの。
日本人なら自明のことですが、「問う」はあまり日常では使わないのでここから説明しなければいけません。
というわけで辞書を調べていたら、「問うに落ちず語るに落ちる」という文が例示されていました。
実は「語るに落ちる」はこのことわざの省略版とのこと。
意味は「問われた時は用j心して本心を漏らすことはないが、何気なく話しているときにうっかり漏らしてしまうものだ」というもの。
ん?
「語るに落ちる」は、話す価値すらないという時に使うものだと思っていました。
「あの人がこんな事件を起こすとは、語るに落ちたな。」という感じ。
これは全くの誤用だったようです。
いやあ、恥ずかしい。
どこかで間違って使っていたかもしれない。
まあ、こんな発見があるのも日本語教師の楽しいところでもありますが。
間違って使っている人も多いだろうな。
そのうち文化庁が毎年やっている誤用調査に使われるかもしれません。