ITの仕事はプログラムを作ることだけと考えている人が少なからずいます。
もちろんそんなことはないわけで、計画の上流から運用の下流まで数多くの工程が存在します。
プログラムの作成など、その中のほんの一部にすぎません。
と書いたものの、ITエンジニアの中でも運用を軽んじている人は多い。
「下流」という言葉が影響しているのでしょうか。
このブログで何回か書いていますが、ITの運用は極めて大事。
トラブル続きだと稼働できなくなってしまいますから。
ハード障害やソフトのバグなどITシステムでトラブルは避けられません。
その時にどれだけ早く安全に復旧できるかは運用担当のスキルもありますが、開発者の責任でもあります。
そのためには関係部署と綿密な打ち合わせを行い、確実なスケジュールを作成し、漏れのないテストを行って稼働させる必要があります。
そんなことがわかっていないのがわが日本政府。
6月からの給与明細に定額減税の記載を義務つけたようです。
減税が決まった直後に言うならわかりますが。
こんな直前になって打ち出すとはね。
明細に項目名と金額を印刷するだけと思っているんでしょうね。
給与明細は給与システムのアウトプットのひとつに過ぎません。
銀行振り込みのデータや、源泉徴収のデータなど今回の減税で関係するデータは数多く存在します。
それらの整合性のチェックなどシステム担当者の苦労を思うと同情を禁じ得ません。
減税を目に見える形にして、政権の支持率を上げたいという魂胆がみえみえ。
IT業界OBとしては、この一件だけで不支持に一票です。