日本語を教えていると、どうしても日本語のルールから外れた例外的な言い方で苦労します。
たとえば、4月・7月・9月。
それぞれよんがつ・なながつ・きゅうがつと言ってしまう人は少なくありません。
なながつは「しちがつ」と「いちがつ」を間違いやすいからわざと言うこともありますが、他の二つはちょっと不自然。
こう表現してきたらすぐに訂正してあげないとそのまま定着してしまう。
たかだかこんなことで日本語不自由と思われてしまうのは本人にとっても損ですからね。
日経の土曜日の夕刊に落語家の林家正蔵さんがコラムを書いています。
先輩の噺家さんから四代目・七代目・九代目をそれぞれ、よだいめ・しちだいめ・くだいめと言いなさいと教わったそうです。
見事に月の言い方と同じ。
噺家さんは言葉遣いのプロだから余計に気をつけるんでしょうね。
正蔵さんのコラムは電子版では有料会員だけしか読めませんが、紙媒体ではこのあと「あげ玉」の話がでてきます。
最近の若い人は「天かす」と言うが、それは上方の言い方だとの主張。
どうやら正蔵師匠、天かすと揚げ玉は同じものと考えているような。
見た目は似ていますが、別物だそうです。
天かすはその名の通り、天ぷらを揚げた時にでてくる副産物。
揚げ玉は小麦粉からわざわざ作られるもの。
上方だからとか江戸だからとかは関係ないのでは。
落語協会の副会長も間違えるんだから、やっぱり日本語は難しいのかな。