中級レベルの日本語レッスンのテキストに、~が~ の表現が ~の~ に入れ替え可能という名詞修飾の内容があります。
「自分が好きな音楽」は「自分の好きな音楽」でも同じ意味になります。
これを中級レベルとはいえ、外国人に説明するのは結構大変。
「自分が好きな音楽」は、好きと言う動作の主体が自分であるというのが強くなります。
「自分の好きな音楽」は、好きな音楽が自分にとってのもの、になります。
なかなか理解するのが難しいので、そういうルールがあるんだなくらいで無理やり納得する人がほとんどです。
まあ、同じ意味ならそれほど実害がありませんが、表現の仕方によっては全然別の意味にとらえられるものもあります。
例えばこの記事のタイトルの「終盤6試合1勝5敗で初のPO進出ならず」というもの。
POとはプレーオフの略であまり使いませんがそれは文字数の制約でいいとして、「初のPO進出ならず」は2通り考えられます。
・初めてPOに進出ができそうだったのにダメだった
・これまでPOに進出できていたのに初めて失敗した
事実は前者。
「POへの初進出ならず」だったら誤解する人はぐっと減りそうですが。
もう一つ、10日の日経朝刊の一面トップ。
「次期戦闘機、豪と輸出交渉」
どうしてここで「と」を使うかなあ。
これだとオーストラリアと一緒に某国に輸出交渉するとも読めてしまう。
「との」だったらそれはないけど、一文字も増やせないのか。
「に」「へ」だと誤解もないけどダメなのかな。
見出しだけ見て記事を読まないことも多いから、見出しで間違った理解をしてしまうと訂正の機会がない。
言葉を仕事にしているのなら、表現にもしっかり気をつかってほしいな。