日本語を教えている学生に久々に硬派?の人が現れました。
三島由紀夫に魅かれて、彼の研究をしたくて日本に来たとのこと。
といっても現状では中級レベルで、日常会話は大丈夫だけれど文学的な表現の読み書きはまだまだ。
これまでマンガやアニメを日本語で見たいという人はいくらでもいたけれど、三島由紀夫は初めて。
「金閣寺」はじめ、ミシマが海外で評価が高いのは知っていたけれど。
まあ、三島由紀夫について解説を頼まれているわけではないのでいいのだけれど、少しは知識を蓄えておかないとね。
実は私は三島由紀夫作品はひとつも読んだことがありません。
今から豊饒の海を読み始めても間に合わないので、便利な本を買いました。
これで全部わかるわけではありませんが、要約版として「仮面の告白」「金閣寺」「春の雪」の3作品が掲載されています。
いずれも戦前から戦後にかけての時代を背景にした作品。
これ、かなり手強そう。
特に戦争を経てからだと、天皇制から民主主義へと価値観ががらりと変わるわけで、そのあたりの当事者の心境がわからないと、本当に理解するのは難しそう。
仮面の告白なんか、LGBTが市民権を得た21世紀の現在の思考で読むと、全然別の作品になってしまうかもしれない。
教えられるとしたら、このあたりの日本人の心境の変化くらいかな。
いずれにしろ、将来楽しみな学生さんではあります。