青学・帝京 敗北の衝撃
正月の大学スポーツ、箱稲駅伝とラグビー。
いずれも絶対王者といわれていた大学が敗れました。
駅伝は青学、ラグビーは帝京。
平成最後の、とはこれから何百回も使われる表現でしょうが、この「事件」こそ使うにふさわしいでしょう。
一時代を築いた両校が平成最後にやぶれたのですから、まさに歴史が変わった年になりました。
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わざわざ平成最後と書いたのは、昭和がまた遠くなったから。
昭和の時代、ラグビーといえば典型的な体育会系のスポーツ。
4年神様、1年奴隷はごく普通の事。
誰も不思議に思わなかったものです。
パワハラなどという言葉は影も形もない時代でしたからね。
私が子どもの頃は巨人の星に代表されるスポ根もの全盛時代。
しごきしごかれで強くなると信じられていました。
指導者の人も軍隊経験者が多くいましたし、殴られて初めて一人前といった感じでした。
そんな我々の世代が主力で臨んだ1988年のソウル五輪は大惨敗を喫します。
それからではないでしょうか。
指導方法に変化がみられるようになったのは。
昭和の指導方法 さようなら!
きっかけは女子マラソンだったと思います。
ソウルの次のバルセロナ五輪で銀メダルを取ったのが有森裕子さん。
彼女を指導したのが小出義男監督。
小出監督は褒めて育てるのが指導方針の人。
高橋尚子さんはじめ、幾多の名選手を育て世界レベルにまで強くしました。
当然その指導方法は注目されます。
「俺についてこい!」ではなく、ある程度選手の自主性にまかせ、個々人の性格にあった指導方法が脚光を浴びるようになりました。
そこには厳しい上下関係はなく、パートナーとしての色合いが強くなっていきました。
帝京も青学も、その強さを解説した本によるとこの指導方法の延長線上にあります。
上級生と下級生の間にはかつてのような緊張関係はなく、同じ目標に向かって努力を続ける仲間であるようです。
もちろんこれだけで強くなるわけではないでしょうが、旧態依然の他大学よりは実力を出しやすかったのは確かでしょう。
そして帝京は大学選手権9連覇、青学は箱根駅伝4連覇を達成します。
当然、他大学はそのやり方を参考にし、実力も接近していきます。
それが今回の結果につながったのでしょう。
かつての異端児的な指導方法が主流になったと言えるでしょうね。
この意味で帝京・青学の敗北は一時代の終わりではありますが、かつての昭和の指導方法の終わりも意味します。
もはや殴る蹴るのスパルタ式指導方法は存在しません。
あの相撲ですらそうなのですから。
昭和世代としては寂しさも感じますが、現在の日本のスポーツ界は世界レベルにある競技が以前より格段に増えました。
それが指導方法の変化によるものであれば、歓迎する事態ではないでしょうか。
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