日本人が日本語を難しいと思っているものの一つに敬語があります。
敬語が苦手な人は少なくないでしょう。
敬語関係の書籍が本屋でたくさん見られるのも、それだけ必要としている人がいるから。
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外国人が日本語を学ぶときも敬語を避けて通ることはできません。
意外、と思われるでしょうが、敬語を学ぶのは初級後半です。
中学校の英語を初級英語とすれば、中3の夏休み前後くらいでしょうか。
この頃になると使える日本語表現も増えてきて、自分の意思をかなり正確に伝えることができるようになっています。
日本語を勉強するのが楽しい時期でもあり、敬語が理由で脱落する人はそんなに多くありません。
敬語は厳密にいうと現在は5つに分けられていますが、初級者にはそこまでは不要。
相手を高くみる尊敬表現と、こちらを低くする謙譲表現の二つを理解してもらうのが一般的です。
尊敬表現→謙譲表現の順番に教えます。
尊敬表現
食べる
→召し上がる
書く
→お書きになる
謙譲表現
食べる
→いただく
送る
→お送りする
などですね。
もちろん細かいルールはありますが、今日は省略します。
同じ「食べる」でも尊敬と謙譲とで「召し上がる」と「いただく」と別の動詞になりますし、「飲む」も同じ「召し上がる」になります。
さらに「いただく」は「もらう」の謙譲の敬語でもあります。
このあたりが面倒くさいところですが、これまで「て形」の変換ルールを乗り越えてきていますから、それに比べれば大したことではありません。
ですから、レッスンのドリルでやってみるとそんなにつまずくこともなく楽々クリアのようにみえます。
ところが、実際に話すとなるとそう簡単ではありません。
敬語で話すべき相手とタイミングを見極めて使わないと、かえって失礼にあたるかもしれないからです。
その例のひとつが「ウチ・ソトの関係」です。
ビジネスパーソンの場合、まったく日本語が話せなくてもMr.・Ms.にあたるものとして「~さん」というのはほとんどの人が知っています。
日本の会社では、他社の人と話すときに自社の人間に「さん」をつけることはありません。
一方で社内だけで話すときは、もちろん「さん」づけです。
これは話す人が同じ集団に属しているかそうでないかを瞬時に判断し、おなじ集団ならウチの関係、違う集団ならソトの関係の表現を使うからです。
「さん」を使うのはソトの関係と思っているからです。ここでうっかり「さん」を落としてしまうと失礼なことになります。
この使い分けが結構難しいようです。ただでさえ敬語の種類はたくさんあるのに、集団まで頭に入れて話をしなければいけませんからね。
だから、話すときは無理に敬語を使わなくてもいいと教えています。
ですます調で十分丁寧さは伝わりますからね。
その代わり、相手が話す敬語は理解しなければいけないとも教えています。
「こちらへいらしてください」
の意味がわからないと、ずっと立ったままになってしまいますからね。
ただ、問題は誤った敬語が使われることが多いこと。
テキストの敬語と違う表現をされたら誰でも戸惑いますから。
今後外国人が増えていくのが予想されているので小学校で英語を教えるのもいいですが、もう少し国語で敬語を教えてもいいように思います。
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