コロナ対策でなるほどねえ、と思う記事が日経のコラムにありました。
株式欄で掲載されている12月12日の「大機小機」です。
これを書いた人はペンネームなのでわかりませんが、経済学者でしょう。
経済学で使われるフィリップス曲線とコロナ対策の共通性を論じています。
簡単にいうと、1人の感染者が非感染者に感染させる数値を1以下に抑えることを目標にするということ。
基本再生産数というやつですね。
フィリップス曲線とは失業率とインフレ率の関係をグラフにしたもの。
失業率には自然失業率という考えがあって、専業主婦とか働きたくないとかで、一定の働かない人たちが存在します。
この人たちの割合が自然失業率です。
働きたくても働けない人たちの失業率と、自然失業率が同じになれば完全雇用になります。
経済政策はこれを目標にするわけです。
失業率が高くなれば、景気対策を行うため失業率が下がります。
ただやり過ぎると、インフレになってしまいます。
このさじ加減が難しくなります。
コロナ対策も同様です。
コロナウイルスが地球上からなくならない以上は、一定の感染者が存在します。
これは許容するしかなくて、感染の拡大の阻止に注力すべしというのが主旨。
そのためには、まずは徹底した抑え込みを短期間で行い、そのあと基本再生産数を1以下に抑えるような施策を行うと説いています。
コロナ対策はいまだに迷走気味。
GoTo停止を訴える人がいれば、経済優先を唱える人もいて、政府は腰が定まりません。
都知事は言葉遊びに夢中です。
一番の懸念は医療崩壊なわけで、それを防ぐには基本再生産数を1以下に下げるしかありません。
1以下になれば感染者数は増えないことになります。
12日の東京は新規感染者数が過去最多と報じられました。
それでも人出は減っていないどころか増えているようです。
もう感染者数はモチベーションにならないようです。
なら基本再生産数の数値の方がよほどわかりやすいでしょう。
医療崩壊を防ぐため、まずは1以下にすると宣言して抑え込みにかかる。
1以下になったらその数字の維持を目標にする。
その後は数字を見て制限を強めたり緩めたり。
いろんな人がいろんなことを言っているけど、私はこれが一番しっくりくるんですけどね。
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