私はIT業界OBなので、COCOA不具合についてはずっとウォッチしていました。
厚労省から調査結果がでて、その明らかになった無責任体制にはどのメディアも大批判。
内容としてはITのプロジェクトとしてはお粗末極まりないもので、おそらくIT業界でもみずほのシステムトラブルと同様に長く語り継がれるレベルのものでしょう。
とにかくこれはだめでしょという事例のオンパレード。
失敗事例として教科書に載せるには理想的なものです。
最終的な責任は厚労省ですが、その窓口となってプロジェクトを進めたパーソルプロセス&テクノロジー株式会社も同じくらいの責任があります。
厚労省の担当者にまともなIT知識がないのは、打ち合わせをしていればわかるはず。
専門的なことは担当者に伝えたと言い訳しているみたいだけど、相手が理解できなければ伝えていないのと同じ。
仕事を請けた以上は、顧客がわかるまで説明責任を果たさないと。
さすがに後ろめたさを感じたのか、1200万円を自主返納するようです。
そういう問題なのかと思いますが。
報告書が公表されたのと同じタイミングなので、厚労省と話はできているのでしょう。
本来なら、プロジェクト体制を立て直してまともな運用を進める努力をするべきだけど、3月いっぱいで契約を切られているので、返納という方法をとったのでしょう。
ただ「お知らせ」の文言からすると、どこまで反省しているのかは大いに疑問。
返納する理由を「約4か月間Android版アプリの不具合を発見できなかったこと」としています。
ここの問題点は、不具合を「発見できなかったこと」ではなくて、放置していたことでしょう。
これが「契約に則って真摯に業務を遂行」したとすれば、一体どんな契約だったんだろうと思います。
時の首相が感染拡大防止の切り札とまで言ったアプリの運用を行う責任感は全く感じられません。
こんな姿勢の企業が幅をきかせている今のIT業界。
30年以上働いていた身からすると、ただただ悲しいです。
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