IT業界で働いていた頃によく読んでいた雑誌が日経コンピュータ。
その中で一番参考になったのが「動かないコンピュータ」という連載記事。
システムを導入・稼働したものの、まともに動かなかったものを取り上げて原因などを掘り下げていくもの。
原因は様々ですが、人に起因するものがほとんどだったように記憶しています。
この動かないコンピュータに取り上げられるのが確実なのがCOCOA。
一度、バグを4か月放置した時に記事になっていますが、機能停止の方針が固まったことでCOCOA全体の検証記事が作られることでしょう。
まだ動いていたのかというのがこのニュースを聞いて思ったこと。
今でもCOCOAのことを気にしている人は、COCOAのシステムの保守を担当している人くらいでしょう。
そもそもCOCOAは濃厚接触者を追跡するために導入されたはず。
どこまで機能したんでしょうか。
COCOAから通知があって検査したという人はごく少数だったのでは。
感染者とCOCOA通知者との関係をチェックして著しく数字が乖離していたのなら、その段階でCOCOAも見直しを行わなければなりませんでした。
今回停止の発表をしたのは河野デジタル大臣。
バグ放置問題からデジタル庁が運用に関与したから河野大臣が発表したのでしょうけど、よくわかりません。
COCOAを起動するとわかりますが、COCOAのシステムオーナーである運用主体は厚労省のはず。
発表するのなら厚労大臣がやるべきでしょう。
デジタル庁はハードウェア・ソフトウェアのお守りに徹しないと、船頭が二人になってしまいます。
動かないコンピュータでもよく描かれたのは、ユーザサイドの責任範囲のあいまいさによるシステムの混乱。
誰がどんな権限でシステムの導入や改修を行うか、明確にしておかないと屋上屋を重ねることになりかねません。
COCOAについて河野大臣はしっかり総括するとのことなので期待できそうですが、どこまで公表してくれますか。
日経コンピュータの方が詳しいというようなことはないようにしてほしいもの。
でも、こんなこと言っているようではまた裏切られそうです。