おひとりさまの団地暮らしの日々

ファミリーのイメージが強い団地生活。ですがおひとりさまの人も結構多いんです。そんな団地の一人暮らしの日々を綴ります。

「させていただく」はあなたまかせの表現

モーニングショーで、「させていただく」の乱発について取り上げていました。

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「させていただく」は、中級以上の日本語レッスン、特にビジネス日本語の時に必ず取り上げられる表現です。

「させていただく」は、話者が「相手の許可を得て」話者が行う行為について、「恩恵を話者が受ける」場合に使うのが本来の使い方。
芸能人が記者会見で「誰々さんと結婚させていただくことになりました」というのは誤用です。
結婚に記者の許可はいりませんからね。
それが丁寧な表現という勘違いから、みんな使っちゃってますね。


「させる」というのは使役でも使う表現なので、相手がいることは日本語学習者はわかっています。
なので、「させていただく」を相手の許可がない状況では使わないように教えると、大体理解してくれます。
日本語が達者な外国人に下手に使うと笑われかねないので、気をつけてくださいね。


さて、番組では女性のコメンテーターが面白いことを言っていました。
「させていただく」を使われると、自分の行為にもかかわらず聞き手に判断を委ねているようで不愉快だというもの。
自信をもって「~する」と言い切ってほしいと言っていました。

これは新鮮な感想。
確かに相手の許可が必要な表現なので、その状況にないのならさっさとやれよ、という感じはします。
丁寧すぎる表現ということでとらえていましたから、そこまで拒否感を持つ人もいるんだとあらためて感じました。


丁寧な表現を使いすぎると、インフレのようになって丁寧さが感じられなくなり、将来は失礼な表現になるかもとも言っていました。

前例として、現在では罵りでしか使わない御前(お(ん)まえ)・貴様(きさま)を挙げていました。
ただ、貴殿(きでん)は丁寧な表現。
様と殿でここまで違うのも、思えば不思議ですね。