外国人に日本語を教える時に気をつけなければならないことの一つが人種差別的な言動。
教えている方にその気はなくても、海外ではNGの行為というのはあるわけで。
例えばとあるテキストの例文で、「彼女の肌は雪のように白い」というものがあります。
色白な肌を雪にたとえたものですが、「これは褒めてるのか?」という質問を多少気色ばんで受けたことがあり、ちょっと驚いたのを覚えています。
黒人男性にたいする警察の人種差別的な扱いから広まったBLM(Black Lives Matter)運動。
アメリカに住んだことのない身には、どれだけ黒人の人たちが差別されているかはわかりません。
TVから見るアメリカ国内のデモの激しさと、日本語学習者の反応をみると相当根深いものがあることだけは理解できます。
ただ、世界的に見るとBLM運動が一筋縄ではいかないことがわかります。
黒人男性を背後から7発も銃弾を撃ち込んだ事件をきっかけに、いろんなスポーツの試合でBLM運動に賛意を表すために、選手がひざを折る仕草を見せました。
強制ではないようなので、必ずしも全員がやる訳ではありません。
イングランドで行われているプレミアシップラグビー。
この試合でもひざを折る行為が行われましたが、ある試合に出場している南アフリカの選手が立ったままだったことが波紋を呼んでいます。
この中には、昨年のワールドカップで有名になったデクラーク選手はじめ、スプリングボクスの選手も含まれています。
最近の若い人には教科書で書かれている歴史になってしまった、南アフリカのアパルトヘイト。
国の制度として、白人以外を人種差別した政策が行われていました。
アパルトヘイトが撤廃されてから、まだ30年も経っていません。
非白人の白人に対する恨みはまだまだ残っています。
南アフリカでは、白人の人口比率は10%程度。
かつての支配階級は、現在ではマイノリティです。
その彼らが、もろ手をあげてBLMに賛成と言えないことは容易に想像できます。
単純に人種差別反対のスローガンなら賛成できたのでしょうが。
今後の展開によっては、スプリングボクスに呼ばれなくなる可能性もあるようです。
ニュースになっていないだけで、世界中で同じようなことが起きているかもしれません。
黒人以外でも人種差別にあっている人は多くいます。
コロナと同じくしばらく人類を苦しめそうです。
スポンサーリンク