日経のコラム「私の履歴書」。
今月は女優の倍賞千恵子さん。
5日の内容はSKD付属の松竹音楽舞踏学校のことでした。
その中で、「歌やバレエ、タップダンス、日本舞踊、楽器演奏のほか、上下関係や礼儀作法も徹底的にたたき込まれた。」として、社会のどこにでても困らない基本を教えてもらったと感謝の言葉を述べています。
これ、やることはおそらく宝塚も同じでしょう。
宝塚のパワハラが大騒動になっていますが、「たたき込まれた」という表現から、SKDでもそんなに変わらないはず。
実際、倍賞さんも下級生時代は廊下で先輩とすれ違う際は直立不動で大きな声で挨拶させられたようです。
時代の違いはあるでしょうが、倍賞さんは感謝しているのにもう一方はパワハラ扱い。
かといって、宝塚が悪の巣窟かといえばそんなこともありません。
上下関係は「深い愛情」で接してもらったという宝塚の演出家の証言もあります。
先輩からの「指導」はなんらかの目的のためにあったはず。
おそらくだけど、倍賞さんはその目的を感じ取ったのでしょう。
一方の宝塚は、何のためにそれをやるのかがわかっておらず、「指導」をやること自体が目的になっているのではないかな。
思考停止して、上がやっていたから自分たちもと。
それを伝統という名前でごまかしていたのでしょう。
目的を達成する手段は一つではないはずで、「指導」もおなじことが言えるはず。
今のやり方以外にどんな方法が考えられるか演出家ならそのあたり考えたら、とも思うわけです。