さて、そういうわけで日本語で日本語を教えるわけですが。
日本語教育さわりのさわり(日本語で日本語を教える理由) - おひとりさまの団地暮らしの日々
日本語教育さわりのさわり(動詞編その1) - おひとりさまの団地暮らしの日々
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最初の頃は「私」のアクションを相手に説明する表現が中心になります。
例えば、駅の券売機の前で
「私羽田空港に行きます」
と言われたら、よほどのことがない限り羽田までのチケットを買いたいんだなと判断するはずです。
ここで、動詞は「~ます」の表現を使います。国語文法だと連用形ですね。
だから、テキストにもよりますが「~ます」の表現を大体最初に教えます。
すぐ使えますからね。
動詞の連用形は日本語教育では「ます形」と呼びます。
見ます・食べます・します・来ます・飲みます・行きます・聞きます などですね。
否定形は語尾の「ます」を「ません」にするだけ。
過去形も「ました」・「ませんでした」にするだけ。
簡単です。
人間生活は自分ひとりでは生きていけません。誰かにいろんなことをお願いしなければなりません。
「~てください」という感じですね。
教えてください・話してください・読んでください などなど。
くださいの前は「て」か「で」のどちらかになります。
連用形のもう一つの形です。
これを「て形」と呼びます。
この「て形」が初級文法の最初にして最大の山場といっていいところです。
上の動詞であれば、
見て・食べて・して・来て・飲んで・行って・聞いて になります。
ます形と比べてみます。
見ます・見て
食べます・食べて
します・して
来ます・来て
飲みます・飲んで
行きます・行って
聞きます・聞いて
上4つは「ます」が「て」に変わるだけですが、下3つはどうでしょう。
「ます」の一つ前の音といっしょに、それぞれ別の音に変わります。
日本語学習者はこの変化のルールを覚えなければなりません。
詳しいことは書きませんが、このて形への変化にはルールがあります。
ルールは動詞の活用のグループによって分けられます。
日本語教育では
上一段・下一段 → グループ2 見ます・食べます など
カ変・サ変 → グループ3 来ます・します
五段 → グループ1 飲みます・行きます・聞きます など
となります。
このうち、一番厄介なのがグループ1です。
いて・って・いで・んで などに変わります。
これらを覚えないと、正確に話せません。
例えば、飲みます→飲んで のところを、「のって」にしてしまうと意味が違ってしまいます。
つまり、日本語学習者はグループを判断したあと、グループ1であればさらに変換ルールにあてはめて発音しなければならなくなります。
日本語ネイティブは無意識のうちに変換できているこのルール。これがマスターできずに日本語の勉強をやめてしまう人が少なくないのです。
教師側でもいろいろ工夫してどうすれば覚えやすくなるかを考えていますが、決め手はありません。
まだまだ研究が必要なところです。
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