おひとりさまの団地暮らしの日々

ファミリーのイメージが強い団地生活。ですがおひとりさまの人も結構多いんです。そんな団地の一人暮らしの日々を綴ります。

「~かねる」の使い方

日本人だからといって、すべての日本人が正しい日本語を話すわけではないのはご存じのとおり。
すっかり有名になった「役不足」の使い方なんかからもそれはわかります。
でも外国人からすると、日本人の使う日本語が正しいと思うのは無理もありません。

 

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先日日本語のレッスンで、上級に手が届きかけている学習者さんから、とある企業の問い合わせ窓口からのメールの一部をみせてもらいました。
ちょっとわからない表現があるとのこと。
ある家電製品の調子が悪くなったので、修理できるか問い合わせたそうです。もちろん日本語です。
 
回答は、その製品は古いので部品がなく修理できない。そのまま使うと危険なので使わないでくれという内容でした。
その中の一文。
前段部分は忘れましたが、最後のところが
「~なので、お客様はお使いできかねます。」
という表現になっていました。
 
学習者の人の質問は、この「かねる」の意味を教えてくれというものでした。
全体の文脈から使えないと思うがどうなのか、ということです。
 
これは学習者さんの言う通りで、使用できないと理解するのが正しいですよね。
「~かねる」はできないという意味ですから。
でもどうでしょう、相当違和感を感じる表現ではないでしょうか。
 
普通、~かねるを使うのは、一人称の行動でしたくてもできないということで使うはずです。
「できない」だとちょっと強いので、少し弱めている感じですね。
・どの学校にするか決めかねています。
・その日のお仕事はお引き受けいたしかねます。
などですね。
いずれも「私」の行動です。
 
ところが、メールの文では顧客の行動として使われています。
二人称でも使えるのか、引っかかったんです。
 
「~かねる」は日本語ノンネイティブの人が受験できる日本語能力試験でも一番目に難しいN1か、その次のN2レベルの表現です。
かなり難しい表現ですね。
 
ちょっと日本語能力試験のテキストの説明を見てみましょう。
 
テキストA
「~かねる」は「~したい気持ちはあるが、別の事情があったり、心理的に抵抗を感じたりしてできない」というときに使う。
テキストB
その状況・その条件・話者の立場では~できない。
 
となると、必ずしも一人称限定ではないのかもしれません。
・見るに見かねて彼が助けてくれた。
慣用句的な使い方ですが、見かねたのは彼ですから三人称ですね。
必ずも間違いとは言えないのかもしれません。
ただ、テキストの例文はどれも一人称での使い方しかなかったので、説明するまでもないと考えたのかもしれませんが。
 
なので、学習者の人には「できない」を弱めた表現で多くは話し手のことに使う、メールの使い方はちょっとおかしい、と説明しました。
もっとも、違和感を感じない人が多数派になったら、間違った説明になるのですが。
将来どうなるでしょうか。
 
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